2011年11月16日水曜日

既存クラウドサービスとiCloudの使い分け

徹底検証! はたしてGoogleからiCloudに移行するべきなのか?という記事が人気になっていたので、既存クラウドサービスのヘビーユーザーである自分がどんなふうにiCloudを使っているのかをまとめてみます。

利用中のデバイス
クラウドサービスについて書く前に、まずは自分はよく使っているデバイスを紹介しておきます。

MacBook
主に自宅で使っているコンピュータです。エンタメから開発まであらゆる作業に使っています。OSはもちろんLionです。

Windows PC
職場で使っているコンピュータ。もちろん仕事用です。OSはXPか、Windows7。セキュリティ上の制限があるので、気軽にソフトウェアをインストールできません。また、アクセス制限のために利用できないクラウドサービスも多く、GMailやDropboxは利用できません。

iPhone 4S
言わずと知れたスマートフォン。常に持ち歩いてます。

iPad 1st Gen
基本は持ち歩かず(持ち歩くとビルセキュリティ上面倒が多いので)、リビングやベッドルームで使ってます。

オーバービュー
次のようにサービスやアプリを選択し、組み合わせて使っています。
ざっくり言えば、基本的には既存のサービスをメインで使い、操作は可能な限りApple製のクライアント経由で行う形をとっています。既存サービスが弱い部分(リマインダー、文書、プレゼンテーション、メモ)についてはiCloud(太字部分)を使って補っている感じです。

採用サービスMacPCiPhoneiPad
カレンダーGoogleカレンダーiCal.appGoogleカレンダーCalendar.appCalendar.app
メールGMailMail.appGMail.comMail.appMail.app
ドキュメントGoogle Docs
iCloud
Google Docs
Keynote.app
Google DocsKeynote.appKeynote.app
リマインダーiCloudiCaliCloud.comReminder.appReminder.app
写真- iPhoto.app- Photo.appPhoto.app
書籍Dropbox
Kindle
Dropbox.app
Kindle.app
Kindle WebDropbox.app
Kindle.app
Dropbox.app
Kindle.app
メモiCloud
Evernote
Mail.app
Evernote.app
evernote.comMemo.app
Evernote.app
Memo.app
Evernote.app

カレンダー
サービスとしてはGoogleカレンダーを採用。
これは、既に家族とGoogleカレンダーで予定を共有しており、家族は自分ほどApple製品やiCloudを使わないためでした。既に様々な予定をGoogleカレンダー上に投入済みで移行が面倒くさく、iCloudカレンダーが優っている部分も特に見つけられなかったこともあり、そのままGoogleカレンダーを採用しています。
PC以外では標準のカレンダーアプリを使っていますが、Webインタフェースも十分使いやすいので、職場のPCからWebインタフェース経由で予定を入れる機会も多いです。

デバイスとの同期にはGoogle Syncを利用しています。CalDavを使っても良いのですが、更新がプッシュ反映される利便性と、設定の簡単さを優先しました。なお、デバイスとiCloudの同期はオフにしています。

メール
サービスとしてはGMailを利用。
メールアドレスはさまざまなサービスのIDとして利用されることが多く、そもそも移行は困難です。また、iCloudメールは他のサービスに比べて特段に優れた点も持っていないため、既存サービスの利用者にとっては考える余地はほとんどないと言えます。

iCloudメールの自分にとって唯一の利点は、職場からも閲覧できることです。URLも https://www.icloud.com/#mail とハッシュを使って識別しているため、規制されづらそうなのも魅力です。GMailに届くメッセージを職場から確認するために、iCloudメールへメッセージを転送することも考えましたが、送信元アドレスを変更できないため現状は使っていません。メールならiPhoneで見ることができますしね。

デバイスとの同期には、カレンダーと同じくGoogle Syncを利用しています。IMAPによる連携と比べれば、メールをプッシュで受信できるという利点があります。iCloudメールとの同期もオフです。

ドキュメント
サービスとしては主にGoogleドキュメントを利用。
Googleドキュメントでは、プレゼンや記事のアウトライン作成、ちょっとしたメモなど、下書き相当の作業によく使っています。

最終的なプレゼン資料を作る時にはKeynoteを使っているため、この部分はiCloudのDocuments in the Cloud(文書の同期)を利用しています。Macで資料を作成し、出先で必要に応じてiPadやiPhoneを使って修正、場合によってはiPadでそのままプレゼンする、といった使い方が主です。
MacからiCloudへ文書を同期させるには現状、iCloud.comのサイトからiWorkのページを開き、ファイルをドラッグする必要があります。このあたりは、Keynoteのアップデートで自動的に同期されるようになることを期待したいですね。

リマインダー
サービスとしてはiCloudのリマインダーを利用。
以前はRemember the milkやGoogle Tasksを使っていたのですが、Remember the milkは複数デバイスへの対応が弱く、Google Tasksは繰り返しタスクの設定など基本機能に足りない部分がありました。iCloudのリマインダーはiOSデバイスに加え、MacのiCal、iCloud.comでもほぼ同じインタフェースで利用できます。また、繰り返しタスクの定義や通知設定が豊富で、基本機能も申し分ありません。iCloud.comでリマインダーを使う場合は、カレンダーのページを開きます。

写真
サービスは使っていません。
強いて言えばFlickrやPicasa Web Albumを使っているのですが、これらサービスとうまく統合された良いクライアントが見つからないため、写真はiPhotoをハブにした手動同期で管理しています。
フォトストリームは使ってみたいのですが、自分のiPhotoはバージョンが古く、フォトストリームに対応していないためにメリットが少なく、ほとんど利用していません。iPhotoのバージョンアップも考えたのですが、Mac App Storeのレビューによるとあまり完成度が高くないようなので、次のリリースを待ちたいと思います。

書籍
サービスとしてはKindleとDropboxを利用。
洋書は基本的にKindleで購入、紙の本はスキャンして、PDF/EPUB形式の電子書籍はそのままDropboxにつっこんでいます。

洋書を買うにはiBooksも悪くないのでしょうが、iBooksはPCやMac、Webで読めないのが致命的です。技術書を買うことが多いので、職場や家で設計・開発しながら読みたいことが多いのです。その点、Kindleはほぼあらゆるデバイスで読むことができます。また、iBooksで洋書を買うにはUSのiTunesアカウントが必要ですが、日本人が支払い可能なUS iTunesアカウントを取るにはUSのクレジットカードを取得する必要があり、かなり大変です。Kindleの場合、日本のクレジットカードで問題なく支払うことができます。

PDF/EPUB形式の本は、Dropboxからi文庫やGoodReaderに連携して読んでいます。技術書や学術書などマーキングやメモをつけたい場合はGoodReader、小説などただ読み流すものはi文庫、と使い分けています。

メモ
サービスとしてはiCloud/Evernoteを利用。
以前はすべてをEvernoteでまかなっていたのですが、テキストのみの単純なメモはiCloudへ移行中です。Evernoteはメモアプリが持つ機能をすべて備えているのですが、高機能すぎて使いどころがやや難しいサービスです。クライアントアプリケーションの完成度もやや低く、多くの容量が必要な場合は有料プランが必要になるなど、気軽には使いづらい部分があります。
反面、メモアプリはできることは圧倒的に少ないのですが、シンプルで使いやすいため、単にテキストを同期するだけであればこちらの方が便利です。すべてのデバイスでspotlight検索ができるのも地味にポイント高いです。欠点はWindows PCから利用できない点ですが、単純なテキストを入力・閲覧できればいいので、iPhoneがあれば問題ありません。

というわけで、現状はテキストのみのメモをメモアプリ、画像などを含むリッチなメモをEvernote、と使い分けています。


以上、既存クラウドサービスとiCloudの自分なりの使い分け方でした。参考になる部分があれば幸いです。

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